遍照寺は沖縄市に位置する東寺真言宗の寺院で、「遍照」とは大日如来の光が一切に照り渡ることを指す密教の根本概念に基づく寺号である。東寺真言宗は京都・東寺(教王護国寺)を総本山とする宗派で、弘法大師空海の法流を継ぐ。沖縄への真言密教の伝来は薩摩支配期を通じて進み、本土からの移住者・軍関係者らによって寺院が設けられた。沖縄市(旧コザ)は戦後のアメリカ統治期に急速に都市化した地域であり、基地関連の在留者や復帰後の移住者を含む多様なコミュニティの中で寺院が精神的基盤を担ってきた。現在も法要・護摩祈祷の場として地域に根ざしている。