常陸大宮八坂神社は、室町時代の応永年間(1394〜1428年)頃に創建されたと伝わる。祭神は素盞嗚尊であり、京都祇園社(八坂神社)の祭神信仰が各地に広まった祇園信仰の流れを汲む。中世には常陸北部を支配した佐竹氏の庇護のもとで社殿が整備され、那珂川流域の市場町として発展した中富町の総鎮守として崇敬を集めたとされる。近世・江戸時代には水戸藩領内に組み込まれ、地域住民の疫病退散や五穀豊穣を祈る社として信仰を継続した。明治時代の神仏分離令以降は「八坂神社」として近代社格制度のもとに位置づけられ、地域の守護神としての役割を保ち続けた。現在も毎年七月の祇園祭では神輿が町内を巡行し、那珂川流域の市街地ととも…