徳蔵寺は仁和年間(885〜889年頃)、あるいは元慶4年(880年)頃に天台宗の僧が奥久慈の山中に入山して開創したと伝わる。平安時代より阿弥陀如来を本尊とする山岳修行の霊場として、修験者や天台僧の信仰を集めてきたとされる。中世には奥久慈一帯を支配した武家勢力の庇護を受けながら法灯を維持したと考えられ、山岳信仰の拠点としての性格を保ち続けた。近世には江戸幕府の宗教政策のもと天台宗寺院として組織化され、地域の民衆信仰と結びつきながら久慈川流域の山村集落の寺院として機能してきた。近代以降も常陸大宮市鷹巣の山中に法灯を継ぎ、現在に至るまで天台宗の寺院として山岳霊場の伝統を守り続けている。