常陸大宮市山方に鎮座する出雲神社は、平安時代末期の1100年頃に出雲大社から大国主命を勧請して創建されたと伝わる。出雲信仰は中世以降、久慈川流域を通じて常陸国北部へと広まったとされ、本社はその信仰の拠点として農耕儀礼と縁結び祈願の場となっていった。中世から近世にかけて、久慈川沿いの農村地帯では稲作を中心とした地域社会が形成され、当社は農業守護の神として篤い信仰を集めた。近世には周辺村落の総鎮守的な役割を担い、氏子たちによって社殿の修築が重ねられたと伝えられる。明治時代の神社制度改革を経て、近代的な社格が整えられた。現代においても十月の神無月に出雲へ帰る神々を送り出す「神送り」の儀式が受け継がれ…