本成寺は大阪市福島区玉川に位置する本門佛立宗の寺院である。本門佛立宗は幕末の安政年間(1857年頃)に長松清風(日扇聖人、1817〜1890年)が在家仏教の精神に基づいて興した宗派で、日蓮聖人の教えを根幹とし法華経の「南無妙法蓮華経」の唱題を最重要の実践と位置づける。長松清風は京都を拠点に全国へ教えを広め、明治維新前後の混乱期にも多くの帰依者を集めた。大阪はかつて商人文化が栄えた都市であり、在家信仰を重んじる本門佛立宗の教えは商工業者層に広く受け入れられた。本成寺はこうした大阪の都市型在家信仰の拠点として創建され、玉川地区の門信徒を中心に今日まで唱題行を守り伝えている。