鳳来山東照宮は、三代将軍徳川家光によって寛永19年(1642年)に建立された山岳東照宮である。その縁起は徳川家康の出生にまで遡る。家康の父・松平広忠が子宝を祈願して鳳来寺に参籠したことが縁となり、家康が誕生したと伝わる。この由緒から家康は鳳来寺山を深く崇敬し、没後に「東照大権現」として祀られた。家光はその御分霊を奉斎するため、鳳来寺山中腹に本社を創建した。社殿は石段が連なる深山に鎮座し、江戸幕府の権威を体現する荘厳な造りとされる。明治維新後の神仏分離令によって鳳来寺とは制度上区別されることとなったが、社殿は維持され、家康誕生ゆかりの聖地として信仰が続いた。近代以降も徳川家ゆかりの霊地として広く…