宝樹寺は大阪府東大阪市菱屋西に位置する日蓮宗の寺院で、「宝樹」は法華経に登場する宝の樹を指し、仏法の功徳の豊かさを象徴する。日蓮宗は鎌倉時代に日蓮聖人(1222〜1282年)が開いた宗派で、末法の世における法華経の唱題を救済の道として説いた。河内国への日蓮宗の伝播は室町時代以降に本格化し、畿内各地に法華信仰の寺院が建立された。戦国時代には京都の法華一揆(1532〜1536年)のような激しい宗教対立もあったが、江戸時代には安定した宗派体制が整い、各地に日蓮宗寺院が定着した。本寺は法華経の功徳を讃える宝樹の名のもとに、菱屋西の地で地域の檀信徒への葬祭・法要を担いながら日蓮宗の信仰を守り伝えてきた。