神奈川県綾瀬市寺尾南に位置する曹洞宗の寺院で、山号を陽広山という。本尊は釈迦牟尼仏。慶長7年(1601年)、後藤右近の開基・朝厳存夙の開山によって創建された。一説によれば、鎌倉時代に当地一帯を所領とした渋谷氏が開いた「法音寺」を継承したと伝わる古刹である。境内には「蓼川観音堂(たでかわかんのうどう)」と呼ばれる小堂があり、昭和14年(1939年)に厚木基地の建設に伴って旧所在地の蓼川から移設されたものである。堂名の「蓼川」はその旧地名に由来する。また、第27世住職・太嶽洞源が台湾での軍役中に観音菩薩の霊験によって銃撃から命を救われたと感得し、帰国後に多くの石造観音像を境内に安置した。これらはやがて「弾除け(おたすけ観音)」として信仰を集め、第二次世界大戦中は無事を祈る出征兵士や家族の参詣者が絶えなかったという。アクセスは相模鉄道本線「相模野」駅より徒歩約35分、または神奈川中央交通バス「観…
慶長7年(1601年)、後藤右近を開基、曹洞宗の僧・朝厳存夙を開山として創建された。一方で、鎌倉時代に当地一帯を支配した相模の武士団・渋谷氏が開いた「法音寺」を前身とするとの伝承もあり、その場合は寺院の歴史は鎌倉時代にまで遡ることになる。江戸時代には曹洞宗寺院として地域の菩提寺の機能を果たし、周辺村落の人々の信仰を集めた。
近代以降の転機となったのは、第27世住職・太嶽洞源の体験である。軍役で台湾に赴いた洞源は、戦闘中に観音菩薩を念じたところ銃撃を逃れ、帰国後にその霊験を感謝して多数の石造観音像を境内に安置した。これらの像は「おたすけ観音(弾除け)」として広まり、昭和の戦時中には出征する兵士や…