報恩寺は堺市東区野尻町に位置する真宗仏光寺派の寺院である。真宗仏光寺派は親鸞聖人の流れをくむ浄土真宗の一派で、京都・仏光寺を本山とする。仏光寺はもと「興正寺」と称し、親鸞聖人の曾孫・了源(1295〜1336年)が仏光寺と改称して宗勢を大きく拡大させた歴史を持つ。「報恩」の寺号は親鸞聖人が重んじた師恩への報謝、すなわち「報恩講」に由来するとみられ、浄土真宗の師弟相伝の精神を体現する。江戸初期の1616年(元和2年)には本願寺派との合意により仏光寺派として独立し、現在の宗勢を形成した。野尻町の農村地帯に根ざした当寺は、隣接する阿弥陀院とともに地域の念仏信仰を守り続けてきた菩提寺である。