金峯山修験本宗は奈良・吉野の金峯山寺を総本山とする修験道の宗派で、役小角(えんのおづぬ、634頃〜701年)を開祖と仰ぐ。役小角は吉野・葛城山中で厳しい山岳修行を積み、神仏習合の霊場として金峯山を開いたと伝わる。大阪府内では吉野・熊野への参詣路にあたる地域に修験道の拠点が点在し、黒谷寺もその信仰圏に連なる。本尊の蔵王権現は釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩の三尊が合体した修験道独自の尊格であり、山岳信仰と仏教・神道が融合した霊力の象徴とされた。堺の地においても修験者(山伏)たちが加持祈祷・病気平癒の霊場として本寺院を活用し、地域の信仰を支えてきたと伝わる。