揖斐川町に鎮座する伊吹神社は、伊吹山(標高1377m)を御神体とする古社であり、山頂に鎮座する伊吹山神社の里宮として創建されたと伝わる。創建年代は不明であるが、伊吹山は古来より霊山として崇敬を集め、日本武尊(ヤマトタケル)が東征の帰路に伊吹山の神と対峙したという神話が『古事記』『日本書紀』に記される。平安時代には伊吹山が薬草の産地として朝廷にも知られ、薬草採取に関する記録が残るなど、山岳信仰と結びついた当社の信仰も広まったとされる。中世には伊吹山周辺に山岳仏教が栄え、神仏習合の影響を受けたと考えられる。近世(江戸時代)には揖斐川流域の農村社会において農業・五穀豊穣の守護神として篤く信仰され、地…