大森北6丁目一帯は大森の北側に広がる商工業地区で、明治以降の工業化とともに多くの工場・商店が立地した地域である。稲荷神社は倉稲魂命を祀る伏見稲荷信仰の社で、農業・商業・産業全般の守護神として全国に広まった。大森は縄文時代の貝塚で著名な歴史ある土地で、近代には工場地帯として発展した。この稲荷神社はその商工業地区の氏神として、工場経営者や商店主、地域住民の信仰を集めてきた。稲荷信仰は江戸時代に江戸の町中に無数の稲荷社が建てられるほど庶民に愛された信仰で、「江戸の三多」(伊勢屋・犬・稲荷)の一つに数えられた。現在も地域の氏子が境内を守り、商売繁盛と地域の安全を祈る場として機能している。