井の頭恩賜公園の井の頭池西岸の湧水点で、「お茶の水(御茶ノ水)」と呼ばれる徳川家康ゆかりの名泉。慶長年間(1596〜1615年)、徳川家康が鷹狩りの途中でこの清冽な湧水を茶の湯に用いたことから「お茶の水」の名がついたと伝わる。井の頭池は古くから「七井の池(ななゐのいけ)」と称され、七つの湧水点から清水が湧き出す武蔵野の名泉として知られた。三代将軍・徳川家光も度々ここを訪れ、「井の頭」の名を自ら命名したとの伝承がある。この湧水を水源として東に流れ出す川が神田川で、寛永6年(1629年)に江戸の上水道「神田上水」として整備され、関口大洗堰を経て江戸市中へ清水を供給する江戸の水がめとなった。近代以降も長く東京市民の水源として利用された。現在は池畔に「御茶ノ水」の石碑と「神田川源流の地」の標識が立ち、江戸と東京の水の歴史を偲ばせる史跡となっている。