太山寺は延暦年間(800年頃)に創建されたと伝わる天台宗の古刹で、大山東麓に位置する。開山の詳細は定かでないが、古くから大山信仰の拠点として機能してきたとされる。中世には大山寺の末寺として寺格が定まり、大山参詣の宿坊としての役割を担うようになった。本尊の不動明王像は鎌倉時代の作と伝わり、当時の彫刻様式を今に伝える貴重な遺品とされる。近世には江戸を中心に大山講が盛んとなり、庶民の大山参詣が急増した17〜18世紀以降、太山寺も多くの参詣者を受け入れ、宿坊寺院として寺勢を拡大した。明治初期の神仏分離・廃仏毀釈の影響を受けつつも法灯を守り続け、近代以降も大山信仰の一翼を担う寺院として地域に根ざしてきた…