静岡県熱海市下多賀に位置する浄土真宗本願寺派の寺院。山号は荘厳山。本尊は室町時代中期作の黒像・阿弥陀如来。天正13年(1585年)、常盤木善照によって創建された。善照は若くして北面の武士(京都御所の警護を担う武家)を務めたのち仏道に転じ、元亀元年(1570年)に石山本願寺で得度した。石山本願寺とは、浄土真宗の総山として織田信長の猛攻に10年にわたり抵抗した要塞寺院(石山合戦・1570〜1580年)であり、その焼失・退去(天正8年・1580年)の後、善照は伊豆の下多賀の地に入り、当寺を開いた。戦国の乱世に生きた僧の足跡が伊豆の海辺に息づく一寺である。