和泉市三林町に所在する観音寺は、高野山真言宗に属する寺院で、観世音菩薩(観音)を本尊として祀ることからその名が付けられた。観音信仰は奈良時代から日本全国に広まり、和泉国でも早くから普及した。当寺は平安末期から鎌倉時代にかけての真言宗興隆期に創建されたと伝わり、三林の地域住民の救済を願う聖地として機能してきた。中世には熊野詣や西国三十三所巡礼を行う旅人が通過する街道沿いでもあり、旅の安全を祈る参詣者が立ち寄る場ともなった。江戸時代には菩提寺として村人の先祖供養を担い、近現代に至るまで観音信仰のもとに地域の人々に親しまれ続けている。