羅漢寺は大阪府和泉市平井町に位置する高野山真言宗の寺院である。「羅漢」とはサンスクリット語「アルハット(arhat)」の音写であり、一切の煩悩を断ち尽くした悟りの境地に達した聖者を指す。日本各地に同名の寺院が多いのは、羅漢に対する民間信仰が広く普及していたためである。五百羅漢像を祀る寺院は江戸時代に全国的に流行し、庶民の間で「自分の顔に似た羅漢像を探す」という参詣文化が生まれた。和泉市平井町の羅漢寺も、弘法大師空海の開いた高野山を本山とする真言宗寺院として、密教の修法と羅漢信仰を結びつけた独自の信仰形態を有していたと考えられる。江戸時代には地域住民の檀那寺として葬礼・年忌法要を担い、明治以降の…