川口大師(幸町)は、元禄年間(1700年頃)に西新井大師(総持寺、東京都足立区)の別院として川口の地に創建されたと伝わる真言宗の寺院である。西新井大師は弘法大師空海が関東巡錫の折に創建したとされる古刹であり、関東三十六不動のひとつに数えられる格式ある霊場として知られる。その別院として設けられた当院は、本尊に弘法大師空海(厄除け大師)を奉じ、不動明王信仰の拠点として川口の地域住民の精神的支柱となってきた。江戸時代から近世にかけて、川口は鋳物産業や河川交通を基盤とした商業都市として発展しており、当院は商売繁盛・病気平癒・厄除けの霊験あらたかな祈願所として職人や商人らから篤く信仰されたとされる。近代…