足摺岬の白山洞門は、太平洋の荒波が長い年月をかけて花崗岩を侵食して形成した高さ約16メートルの海蝕洞門である。その誕生は人為的な造営によるものではなく、自然の営みによるものであるが、周辺の信仰圏と深く結びついてきた。足摺岬に鎮座する金剛福寺は、弘仁13年(822年)に弘法大師空海が嵯峨天皇の勅願によって創建したと伝わり、四国八十八箇所霊場第38番札所として古代より遍路信仰の中心地となってきた。中世以降、足摺岬は「補陀落浄土」への入口と見なされ、多くの修行者・遍路が訪れる聖地として栄えた。白山洞門はこの巡礼路の途上に位置し、自然の造形が信仰の景観と一体となってきた。近代以降、足摺岬は高知県を代表…