長寿寺は、承和年間(834〜848年)ないし9世紀初頭の弘仁年間(810〜824年)頃、弘法大師空海が東国を巡錫した際に開創したと伝わる真言宗の古刹である。創建は830年頃とされ、本尊に大日如来を安置して以来、密教道場として地域の信仰を集めてきた。中世には古河公方足利氏が下総・武蔵にまたがる関東の拠点として古河を整備した時代(15〜16世紀)に、密教の加持祈祷が武家から重用され、寺院の格式と影響力が高まったと伝わる。近世には江戸幕府の宗教統制のもとで寺院組織が整備され、地域の檀家制度に組み込まれながら法灯を継いだ。明治期の神仏分離令や廃仏毀釈の波をくぐり抜け、護摩堂をはじめとする伽藍を維持して…