相原町の子ノ神社は、十二支の子(ね)に関連する神格——大国主命の御子・事代主神や、子を守護する神——への信仰を体現している。子ノ神信仰は関東各地の農村に分布し、子年生まれの守護・子孫繁栄・農耕の実りを祈る信仰として庶民の間に根付いた。相原は旧相模国高座郡の農村地帯で、子孫繁栄と五穀豊穣への願いは農民にとって切実であり、この小社が地域の信仰の拠り所となってきた。江戸時代には子の日(ねのひ)に関連した行事や農耕祭礼が営まれてきたと伝わる。明治の近代化の波のなかでも地域住民の手によって守り継がれ、今日まで相原の独自な信仰景観のひとつとして存続している。