興福寺は真宗興正派の寺院として大阪市阿倍野区阪南町に所在する。真宗興正派は、興正寺(京都市下京区)を本山とする浄土真宗の一派で、親鸞聖人の六男・了源(1295〜1335年)が創建したとされる。興正寺はもと本願寺と密接な関係を持っていたが、明治9年(1876年)に独立して興正派として別立した。阿倍野区の興福寺はその流れをくむ末寺として、地域の仏事・法要を担ってきた。同地域は近代以降に市街化が進んだ地域であり、当寺は明治から大正期にかけて現在地に定着したと考えられ、以来地域住民の精神的な拠りどころとして機能し続けている。