天神町の広智寺は黄檗宗の禅刹で、江戸時代初期に中国・明から渡来した隠元禅師が1654年(承応3年)に宇治・万福寺を開創した流れを汲む寺院とされる。黄檗宗は日本の既存の臨済・曹洞の禅宗とは異なり、明朝風の読経・法式・建築様式を色濃く保つことで知られる。高槻は江戸初期に城下町として発展しており、上方文化の影響を受けながら、中国禅の独自性を保った道場として当地に根を張ったと伝わる。独特の梵唄(ぼんばい)と呼ばれる中国風の読経スタイルや、明風の荘厳な法要形式は現在も受け継がれており、北摂地域における黄檗禅の貴重な拠点となっている。