神田小川町は千代田区に属し、江戸時代から職人・商人が集まる神田の中でもスポーツ用品・楽器・古書店などの専門店街として知られる地域である。幸徳稲荷神社は「幸徳」の社名が示すとおり、幸運と徳望を授ける稲荷神を祀り、地域の商工業者の守り神として機能してきた。稲荷信仰は江戸時代に庶民の間で最も広く普及した信仰形態の一つであり、商売繁盛・家内安全・縁結びなど多様なご利益で知られる。神田小川町の繁栄とともに歩んだ当社は、地域の氏神的役割を担いつつ、参拝者の開運・商売繁盛への祈りに応えてきた。現在もにぎわう商店街の一角に鎮座し、神田固有の商業文化の歴史を物語っている。