青柳稲荷神社は、元禄年間(1688〜1704年)頃に創建されたと伝わる稲荷社である。多摩川沿いの低湿地帯に広がる青柳村は、江戸時代を通じて水田耕作を主体とした農村であり、開拓・治水に携わった村民が五穀豊穣と土地の守護を祈願して勧請したものとされる。祭神は宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)で、稲荷信仰の中心的な神格として農業・商業双方の守護神と仰がれてきた。江戸中期以降、青柳地区の産土神として定着し、地域の祭礼・年中行事の中心的な役割を担ってきたと考えられる。明治維新後の近代化・都市化の波の中にあっても、地元住民の篤い信仰によって社殿と境内が維持され続けた。現在も毎年2月の初午の日に行われる初…