久覺寺は大阪市生野区林寺に位置する浄土真宗本願寺派の寺院である。浄土真宗は1224年(元仁元年)に親鸞聖人が『教行信証』を著して確立した宗派で、専修念仏と他力本願を説く。本願寺派の歴史において特筆されるのは、戦国期に織田信長と10年にわたる石山合戦(1570〜1580年)を戦った石山本願寺の存在であり、大坂はその歴史的記憶を色濃く留める地である。江戸時代には寺請制度のもと、本願寺派の寺院が各地の民衆の菩提寺として広く定着した。林寺地区においても近世以降に浄土真宗の信者が集い、久覺寺はこうした信者共同体の拠点として代々法灯を守り、地域住民の葬祭・先祖供養を担い続けている。