松尾寺は和泉市松尾寺町に位置する天台宗の古刹である。寺名に「松尾」を冠することから、松尾山の山中に草庵が結ばれたことに始まると伝わる。天台宗は805年(延暦24年)に最澄(伝教大師)が唐より帰国し、翌年比叡山延暦寺を開いて伝えた宗派で、法華経を根本経典とし円・密・禅・戒の四宗を統合した総合仏教として展開した。和泉国においても平安時代以降、天台宗の影響が及び、比叡山との関係を保ちながら修行道場としての機能を発揮してきた。中世の兵乱でたびたび伽藍が損壊しながらも再建を繰り返し、江戸時代には地域民の信仰を集めた。松尾寺町という地名が残るほど、当寺の存在は地域の歴史・文化に深く刻まれている。