中新田の虚空蔵尊は、奥州の民間信仰において古くから丑寅年生まれの守護本尊として崇められてきた。創建の詳細は明らかでないが、鎌倉時代から南北朝時代(13〜14世紀)頃に真言宗の寺院として整備されたと伝わる。江戸時代には仙台藩領内で広く信仰が広まり、丑年・寅年生まれの参拝者が遠方からも訪れるようになった。毎年2月の初寅の日に奉納される「火伏せの虎舞」は、五穀豊穣と火難除けを祈る奇祭として地域に根付いており、現在は宮城県の無形民俗文化財に指定されている。明治の神仏分離令後も寺院として存続し、東北の民俗信仰を今日まで伝えている。