妙泉寺は江戸川区谷河内に位置する日蓮宗の寺院で、「妙泉」の寺号は法華経の教えを尽きることなく湧き出る泉に例えた意味を持つ。谷河内は江戸川と中川に挟まれた低湿地帯で、江戸時代から洪水が繰り返し発生する地域であった。水害と常に隣り合わせの不安な暮らしのなかで、日蓮宗の「南無妙法蓮華経」の題目による守護と救済を求める信仰は谷河内の村人の心に深く浸透した。妙泉寺は低湿地帯の農村共同体において生活の苦難を精神的に支える菩提寺として機能し、葬儀・法要・御会式などの年中仏事を担ってきた。現在も谷河内の住宅地において日蓮宗の伝統を守る寺院として地域住民の信仰の場となっている。