栄町薬師堂は、平安時代末期の1150年(久安6年)頃に創建されたと伝わる。薬師如来を本尊とし、病気平癒・現世利益を願う庶民信仰の拠点として、成田地方に根付いてきた。中世には成田街道沿いという立地から、旅人や商人の健康祈願の場としても機能したとされる。室町時代には堂宇の整備が進んだと伝えられ、現在も堂内に残る薬師十二神将像はこの時代の作と推定され、彩色の痕跡をとどめる貴重な仏像群として知られる。近世には成田山新勝寺への参詣者が行き交う成田街道の往来とともに、地域住民の篤い信仰を集め続けた。近代以降は地域住民によって組織された護持会が堂の維持管理を担い、庶民信仰の伝統は現代に至るまで受け継がれてい…