西願寺は大阪市住之江区粉浜に位置する真言律宗の寺院で、奈良・西大寺を総本山とする。真言律宗は鎌倉時代の高僧・叡尊(1201〜1290年)が奈良・西大寺を拠点として興した宗派で、戒律の厳守と民衆救済・社会事業を特色とする。叡尊の弟子・忍性はハンセン病者の救済など社会福祉活動でも知られる。「西願」の寺号は、西方浄土の阿弥陀仏への帰依を願うという真言密教と浄土信仰の融合的精神を表すと考えられる。大阪における真言律宗の寺院は数少なく、当寺は粉浜の地で戒律と密教の伝統を守りながら、地域住民の信仰の場として独自の役割を担ってきた歴史を持つ。