乃木寺は真言宗醍醐派の寺院として、羽曳野市羽曳が丘に位置する。真言宗醍醐派は弘法大師空海(774〜835)が開いた真言密教を継承し、京都・醍醐寺を総本山とする。醍醐寺は907年に聖宝理源大師が醍醐山に草創した古刹で、醍醐天皇の篤い帰依を受けて発展し、豊臣秀吉が晩年に催した「醍醐の花見」(1598年)でも知られる名刹である。乃木という寺号の由来については詳細な記録が乏しく確定しないが、真言密教の護摩供養や各種法要を行いながら地域の菩提寺として信仰を集めてきた。現在も醍醐寺との宗的な縁を保ちながら、地域の人々の精神的な支えとなっている。