杵築城下町は山と谷が入り組む地形の中に、高台の武家町と谷底の商人町が交互に並ぶ独特の「サンドイッチ型城下町」として知られる。この景観は17世紀から18世紀にかけての城下町整備によって形成されたものである。能見邸は杵築藩主松平家の上級家臣・能見家の屋敷として、江戸中期ごろに現在地の北台に建てられたとされる。主屋・門・庭園が江戸期の形式を保ち、武家屋敷建築の典型的な姿を今日に伝える貴重な遺構である。杵築の武家屋敷群と商人町が一体となった町並みは、1982年(昭和57年)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、江戸期の城下町景観の保全が進められた。能見邸はその中心的な公開施設として整備され、江戸…