大汝牟遅神社は、文武天皇の治世にあたる700年頃の創建と伝わる古社で、大汝牟遅命(大国主命)を主祭神として祀る。平安時代中期に編纂された『延喜式』神名帳に記載された式内社であり、薩摩国における有力な官社として早くから位置づけられていたとされる。中世には日置郷の総鎮守として周辺地域の崇敬を集め、地域の精神的支柱となった。近世に入ると薩摩藩主島津家からの信仰が篤く、社殿の造営・修復に際して藩の庇護を受けたと伝わる。明治時代には神仏分離令の影響を受けながらも社格が定められ、郷社として存続した。境内に群生するクスノキの巨木群は「千本楠」と称され、樹齢800年に及ぶものを含む。この巨木群は昭和時代に国の…