仁寿2年(852年)、小野篁を祭神として現在の上野・下谷の地に創建されたと伝わる。小野篁は平安時代の歌人・官人であり、学問と芸能の神として広く信仰を集めた。中世以降、下谷周辺の地域住民の氏神として篤く崇敬され、江戸時代には徳川幕府の庇護のもと社域が整えられたとされる。江戸後期には学問の神・菅原道真も合祀され、学業成就や芸事上達を願う参拝者がさらに増えた。文政年間(1818〜1830年)頃には富士山を模した富士塚「下谷坂本富士」が境内に築かれ、現在も国の重要有形民俗文化財として保存されている。明治維新以降も地域の守護社として存続し、近代には芸能関係者の崇敬が特に篤くなった。昭和期には俳優・渥美清…