大通寺は大阪府八尾市教興寺に位置する融通念佛宗の寺院である。融通念佛宗は平安末期の僧・良忍上人(1072〜1132年)が大阪・平野の大念仏寺で開創した宗派であり、「一人の念仏が万人に融通され、万人の念仏が一人に融通される」という独自の他力相互回向の教義を特徴とする。教興寺の地名は、聖徳太子(574〜622年)ゆかりの古刹・教興寺に因んでおり、この一帯は古代から仏教文化が栄えた地域である。大通寺はそうした土壌のもとで融通念佛の道場として機能し、近世以降は地域の菩提寺として定着した。毎年春には大念仏の法要が営まれ、念仏の声が地域に響く伝統が受け継がれている。