来恩寺は大阪府八尾市恩智中町に位置する融通念佛宗の寺院である。融通念佛宗は平安末期の僧・良忍上人(1072〜1132年)が大治2年(1127年)に阿弥陀仏より「一人の念仏が万人に融通し、万人の念仏が一人に融通する」との霊告を受けて創始した宗派で、大阪・平野の大念仏寺を総本山とする。八尾市恩智は河内国の恩智川流域に位置し、古代から農耕と信仰の深い土地柄である。「来恩」の寺号は仏の恩恵が来り届くという意味を持ち、融通念佛宗の「一即一切・一切即一」の思想と響き合う名称である。来恩寺は恩智中町において念仏道場として機能し、江戸時代には寺請制度のもとで地域の葬送・法要を担い、地域住民の精神的支柱となって…