水天宮は1859年(安政6年)、北海道小樽市相生町の高台に創建された。安政年間、北方交易と漁業の拠点として発展しつつあった小樽において、地域の鎮守として勧請されたとされる。祭神は水天宮信仰に基づく天御中主神などで、海上安全・安産・子育ての神として広く崇敬を集めた。明治期に小樽が北海道屈指の商港として急成長すると、港湾に従事する人々や移住者からの信仰も厚くなった。1907年(明治40年)頃、小樽新聞の記者として小樽に滞在した歌人・石川啄木がこの地を訪れ、高台からの眺望に触れながら短歌を詠んだと伝わる。その後も地域の氏神として維持・管理され、境内からは小樽市街と石狩湾を見渡す景観が今日まで受け継が…