西恩寺は千早赤阪村小吹に位置する融通念佛宗の寺院である。融通念佛宗は平安時代末期の1117年(永久5年)、良忍上人が摂津国平野(現・大阪市平野区)の大念仏寺にて開創した日本発祥の宗派であり、「一人一切人・一切人一人」という融通念仏の教義を根幹とする。南河内は古来より仏教信仰が深く根付いた地域であり、千早赤阪村一帯には南北朝期の楠木氏の史跡が点在する。当寺は地域の菩提寺として江戸時代を通じて檀家制度のもとで村民の信仰生活を支え、明治以降も融通念佛宗の末寺として大念仏寺の法灯を継承している。毎年行われる大念仏会の法要は、宗派の伝統を今日に伝える重要な行事となっている。