坂戸浅間神社は、慶長5年(1600年)頃に創建されたと伝わる。江戸時代を通じて、富士山を御神体とする富士信仰(富士講)が関東一円に広まる中、坂戸の地においても富士山本宮浅間大社を総本社とする浅間神社の分社として勧請されたとされる。祭神は木花咲耶姫命であり、古来より安産・縁結び・火難除けの神として地域の人々、とりわけ女性の篤い信仰を集めてきた。近世には坂戸周辺の農村地帯において農業と生活全般の守護神として定着し、地域共同体の精神的な拠り所となったと伝わる。境内には富士塚が築かれ、実際に富士山へ登拝することが困難であった庶民が、この塚に登ることで富士登拝と同等の御利益を得られると信じ、参詣に訪れた…