宝福寺は、文永7年(1270年)に創建されたと伝わる真言宗智山派の寺院である。鎌倉時代、真言密教が関東各地に広まる流れのなかで、上総国東部においても修法の道場として当寺が開かれたとされる。中世を通じて地域の信仰の拠点となり、不動明王を本尊とする護摩祈祷の道場としての性格を確立していったと伝わる。近世には真言宗の組織的整備が進むなかで智山派に帰属し、江戸時代においても在地の民衆から厄除け・開運の寺として篤く信仰されてきたとされる。境内に弘法大師堂が設けられたのも、こうした真言宗信仰の深まりを示すものである。近代以降も護摩祈祷の道場としての伝統を守り続け、山武市松尾の地域に根差した寺院として現代に…