正通院は大阪市淀川区木川東に位置する曹洞宗の禅寺である。曹洞宗は鎌倉時代の道元禅師(1200〜1253)が中国(宋)で修行ののち帰国し、1244年(寛元2年)に越前(現・福井県)に永平寺を開創したことを起源とする。道元は「只管打坐(しかんたざ)」を禅の根本修行として強調し、坐禅即仏法の思想を確立した。その後、瑩山紹瑾(1268〜1325)が能登・総持寺を開いて禅の民衆への普及を進め、曹洞宗は室町時代以降に諸国に広まった。大阪にも江戸時代を通じて多くの曹洞宗寺院が建立され、葬祭仏教の担い手として庶民生活に深く根付いた。木川東の正通院もこうした歴史の流れの中に位置し、坐禅修行と先祖供養を両輪として…