信松院は、武田信玄の四女・松姫(のちの信松尼)が八王子に移り住み、慶長13年(1608年)に開いた尼寺である。松姫は武田氏滅亡後に八王子へ落ち延び、出家して「信松尼」を名乗り、地域の子女への教育や貧民救済に生涯を捧げた。甲州街道沿いの台町という宿場町の一角に建つこの寺は、戦国時代の歴史を色濃く残すとともに、曹洞宗の禅の教えと信松尼の慈悲の精神を現代に伝えている。境内には松姫の墓所があり、八王子城落城に散った将士の菩提も弔われてきた。今日も多くの参拝者が信松尼の遺徳を偲んで訪れる八王子屈指の名刹として知られる。