墨坂神社は日本書紀の崇神天皇9年の条に記された古社である。同書によれば、国内に疫病が蔓延して多くの人民が死亡した際、天皇の夢のお告げにより「墨坂神」に赤色の盾と矛を供えて祀ったところ疫病が治まったとされる。これが「日本最古の健康の神」として崇められるようになった根拠であり、記紀に記された最古の疫病鎮護の祈りの一つとして学術的にも注目される。創建の地は大和国宇陀郡とされるが当初の鎮座地については諸説あり、中世において数度の変遷を経たとみられる。文安6年(1449年)に現在の宇陀市榛原萩原の地に遷座したと伝わり、宇陀川右岸の地に社殿が整えられた。近世には宇陀地域の産土神・健康の守り神として地域住民…