天山寺は大阪府池田市吉田町に位置する曹洞宗の寺院である。「天山」という山号は天空を仰ぐ山嶺の霊性を表し、禅の清澄な精神世界を象徴する命名と考えられる。吉田町は池田市の北部、五月山(さつきやま)山麓に広がる地区で、古来より自然と信仰が結びついた土地柄であった。曹洞宗は道元禅師が13世紀に宋から持ち帰った禅の法脈に基づき、只管打坐(黙照禅)を根本とする実践を重んじる。天山寺はこの地域の山麓地帯に禅の道場として創建されたと伝わり、近世以降は地域の菩提寺として住民の葬祭・法要を担い、坐禅を通じた仏法の実践を今日まで継承している。陽松庵と同じ吉田町に所在し、この一帯が古くから曹洞宗の信仰圏であったことを…