創建年代は詳らかではないが、神津島村に建立された浄土宗の寺院であり、神津島唯一の仏教寺院とされる。「濤響寺」という寺名の「濤響(とうきょう)」は波濤の響き・大波の音を意味し、四方を海に囲まれた神津島の自然環境を詩情豊かに表現した名称である。浄土宗は法然上人(1133〜1212)を宗祖とし、「南無阿弥陀仏」と唱えることで阿弥陀如来の本願によって浄土へ往生できるという他力の教えを説く宗派である。小さな離島である神津島において、濤響寺は島民のあらゆる法要・祭事・日常的な祈願を一手に引き受け、島の精神文化の要として機能してきた。現在も神津島の唯一の寺院として島民の信仰を守り続けている。