山川薬園は、1659年(万治2年)に薩摩藩主・島津家によって鹿児島県指宿市山川成川の地に開かれた薬草園である。薩摩藩は琉球を通じた中国・東南アジアとの交易ルートを活かし、朝鮮人参・甘蔗(さとうきび)・龍眼肉・ビワ・リュウガンなどの熱帯・亜熱帯系薬用植物を積極的に導入、当地でその栽培試験を行ったとされる。温暖な気候を持つ山川の地は、これら南方系植物の栽培に適しており、藩の殖産興業政策の一環として重要な役割を担った。国内最古級の薬草園のひとつとして位置づけられ、薩摩藩の海外交流と植物利用の実態を示す貴重な遺跡である。近代以降、薬園としての機能は失われたが、その歴史的価値が評価され、国の史跡に指定さ…