豊中市熊野町に鎮座する八坂神社は、祇園信仰を背景に勧請された神社である。八坂神社の総本社は京都・祇園の八坂神社(旧称・感神院)であり、スサノオノミコト(素戔嗚尊)を主祭神とする。平安時代から全国に広がった祇園信仰は、疫病除けの神として庶民に深く根付いた。摂津国豊島郡のこの地にも農村共同体の氏神として勧請され、以来、夏祭り(祇園祭)を中心とした年間祭礼が地域行事の中核をなしてきた。近世には周辺集落の産土神として機能し、地域住民の冠婚葬祭にも深く関わった。明治の神仏分離令以降は神社本庁の傘下に組み込まれ、現在も氏子崇敬者による祭礼が継承されている。