元本郷町は八王子城下の武家・町人集落として形成された地区で、善龍寺はその地に根ざした日蓮宗の寺院として城下の歴史とともに歩んできた。後北条氏の支配下に始まる城下町の歴史は、天正18年(1590年)の落城後も地域の信仰とともに継続し、江戸時代には甲州街道の宿場として発展した八王子の精神的基盤の一角を担った。日蓮聖人の法華経信仰と「南無妙法蓮華経」唱題の伝統を守りながら、歴代住職が武家・町人・農民の葬送・病気平癒・国家安穏祈願を担ってきた。現在も元本郷町の地域に根ざした日蓮宗の道場として参拝者を迎えている。