天正年間(1573〜1592年)、武田信玄の家臣・笹尾隼人正成が武田家滅亡を経て出家し、敵味方の戦没者を弔うために開創した浄土宗の寺院。開基は「善徳坊」と号し、寺名はその法号に由来する。慶長元年(1596年)、徳川家康は当地近隣に中原御殿を造営し、鷹狩の際の宿所および鷹匠衆の本拠地とした。家康に仕えた鷹匠衆の磯部家らが当寺の有力な檀越となり、寺院の経営を支えた。明暦3年(1657年)、中原御殿が解体された際、御殿の唐木門がこの善徳寺に移築された。この唐木門は家康ゆかりの建造物として現在も境内に現存し、往時を伝える貴重な遺構となっている。武田家遺臣が開いた小寺が徳川家の御殿と結びついてその歴史的…